総合型選抜(AO入試)の面接では、「自己PRをしてください」と求められることが多くあります。

限られた時間で自分の強みを効果的に伝えるには、事前の準備と構成力が不可欠です。この記事では、30秒版と1分版の構成テンプレートを使い、面接官の心に残る自己PRの作り方を解説します。

面接における自己PRとは

面接での自己PRは、就活の自己PRとは少し目的が異なります。

総合型選抜の自己PRで面接官が知りたいのは、以下の3点です。

面接官が知りたいこと 具体的に見ているポイント
あなたの強み 何が得意で、どんな人間か
強みの根拠 その強みが発揮された具体的なエピソード
大学との接点 その強みが大学での学びにどう活きるか

ポイント:自己PRは「すごい実績の自慢」ではありません。あなたの人柄や考え方が伝わるエピソードを選ぶことが大切です。地味な活動でも、そこから得た学びや成長を語れれば十分に評価されます。

自己PRの構成テンプレート

30秒版テンプレート(約150〜200字)

短く求められた場合や、自己紹介の一部として自己PRを求められた場合に使います。

パート 内容 時間目安
強み 一言で強みを宣言 5秒
エピソード 強みが発揮された場面を簡潔に 15秒
学びとの接続 大学での学びにどう活かすか 10秒

30秒版の例文

私の強みは、困難な状況でも粘り強く取り組み続ける力です。高校時代、探究活動で地域の高齢者の防災意識調査を行った際、協力者が集まらず苦労しました。しかし、自治会長への直接依頼や調査方法の見直しを重ね、最終的に50名以上のデータを集めることができました。この粘り強さを活かして、大学でも現場に根ざした研究に取り組みたいと考えています。

1分版テンプレート(約300〜400字)

面接で「自己PRをお願いします」と言われた場合、通常は1分程度が適切です。

パート 内容 時間目安
強み 一言で強みを宣言 5〜10秒
エピソードの背景 活動の概要と取り組んだ理由 10〜15秒
課題と行動 困難にどう対処したか 15〜20秒
成果と学び 何を得たか、何を学んだか 10〜15秒
大学との接続 大学での学びにどう活かすか 5〜10秒

1分版の例文

私の強みは、異なる立場の人の意見を丁寧に聞き、合意形成につなげる力です。高校2年生のとき、文化祭実行委員長を務めました。コロナ禍で2年間中止が続いた後の初開催で、「以前通りの文化祭を復活させたい」という声と「感染対策を徹底すべき」という声の間で、意見が大きく割れました。

そこで私はまず、全クラスの代表にアンケートを実施し、それぞれが何を最も重視しているかを丁寧に把握しました。その結果、「安全な環境で来場者と交流したい」という共通の願いがあることに気づき、屋外スペースを活用したハイブリッド形式を提案しました。反対意見にも一つひとつ向き合い、計3回の全体会議を経て合意を得ることができました。

この経験から、対立する意見の中にも共通点を見出し、全員が納得できる結論を導く大切さを学びました。大学では、ゼミや研究プロジェクトでこの力を活かし、多様な視点を取り入れた研究に取り組みたいと考えています。

強みの見つけ方|3つのアプローチ

「自分の強みが分からない」という受験生は、以下の3つのアプローチで掘り下げてみましょう。

アプローチ1:活動から逆算する

高校時代の活動(部活、委員会、ボランティア、探究学習など)を書き出し、「その活動で自分が発揮した力は何か?」を考えます。

活動 発揮した力の例
部活で後輩を指導した 相手の理解度に合わせて伝える力
探究活動でデータを集めた 地道な作業を続ける粘り強さ
ボランティアを1年間続けた 継続力、責任感
文化祭で企画を立てた 計画力、チームをまとめる力
意見が対立する場面で仲裁した 傾聴力、合意形成力

アプローチ2:周囲からの評価を集める

家族、友人、先生に「私の強みは何だと思いますか?」と聞いてみましょう。

自分では気づいていない強みが見つかることがあります。

アプローチ3:志望分野から考える

志望する学部・学科で求められる資質から逆算して、自分にどんな強みがあるかを考える方法です。

たとえば教育学部なら「相手の立場に立って考える力」、理工学部なら「仮説を立てて検証する力」など、学問分野と結びつく強みを見つけましょう。

自己PRのNG例と改善ポイント

NG1:強みを複数詰め込む

悪い例:「私の強みは、リーダーシップがあること、コミュニケーション能力が高いこと、そして粘り強いことです」(→ 3つも並べると1つも印象に残りません)

改善例:強みは1つに絞り、その1つを深いエピソードで裏付けましょう。「広く浅く」より「狭く深く」が面接では効果的です。

NG2:エピソードが抽象的

悪い例:「部活動を通じて協調性を学びました。チームワークの大切さを実感しました」(→ 具体的に何があったのかが分かりません)

改善例:「いつ・どこで・何が起きて・どう行動し・どんな結果になったか」を具体的に描写しましょう。5W1Hを意識すると具体性が増します。

NG3:大学との接続がない

強みとエピソードだけで終わり、「だから大学でこう活かしたい」が抜けている自己PRは、面接官に「で、当学とどう関係があるの?」という疑問を残します。

最後に必ず、大学での学びとの接続を一文入れましょう。

NG4:謙遜しすぎる

悪い例:「たいしたことではないのですが…」「まだまだ未熟ですが…」(→ 自信のなさが伝わり、せっかくのPRが弱まります)

自己PRは自信を持って語る場面です。謙虚さは大切ですが、過度な謙遜は避けましょう。

自己PRを磨く練習法

ステップ1:書き出す

まず、30秒版と1分版の原稿を紙に書き出します。

文字数の目安は30秒版が150〜200字、1分版が300〜400字です。

ステップ2:声に出して時間を計る

実際に声に出して読み、タイマーで時間を計ります。

制限時間に収まらない場合は、削れる部分を探しましょう。特にエピソードの背景説明が長くなりがちです。

ステップ3:キーワードだけで話す練習

原稿を丸暗記するのではなく、キーワードだけのメモから自分の言葉で話す練習をします。

キーワードメモの例:

  • 強み:合意形成力
  • 場面:文化祭実行委員長
  • 課題:コロナ後の開催方針で意見対立
  • 行動:アンケート、全体会議3回
  • 結果:ハイブリッド形式で実現
  • 接続:ゼミでの多様な視点の研究

ステップ4:第三者に聞いてもらう

家族や友人に聞いてもらい、「強みが伝わったか」「エピソードは印象に残ったか」「もっと知りたいと思った部分は?」をフィードバックしてもらいましょう。

注意:自己PRは志望理由書の内容と矛盾しないようにしましょう。面接官は志望理由書を手元に持って質問しています。書類と面接で言っていることが食い違うと、信頼性を損ないます。

まとめ

  • 自己PRの強みは1つに絞る。複数並べると印象がぼやける
  • 構成は**「強み→エピソード→学びとの接続」**の3パーツで組み立てる
  • エピソードは5W1Hを意識して具体的に描写する
  • **30秒版(150〜200字)と1分版(300〜400字)**の2パターンを用意する
  • 丸暗記ではなくキーワードで覚えて自分の言葉で話す練習を繰り返す

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参考


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