小論文の対策というと「何を書くか」に意識が向きがちですが、実は「何をしてはいけないか」を知っておくことも同じくらい重要です。
どんなに良い主張を持っていても、減点対象のミスが重なれば合格点には届きません。この記事では、小論文で頻繁に見られる減点ポイントを整理し、その具体的な対策を解説します。
減点ポイントを知ることの重要性
小論文の採点は多くの場合、基準点から加点・減点していく方式で行われます。
つまり、「良いことを書く」だけでなく、「失点を防ぐ」ことが合格点への近道です。特に以下のような減点は、知識があれば防げるものばかりです。
- 出題意図の読み違い
- 論理構成上のミス
- 原稿用紙の使い方の間違い
- 不適切な表現
ポイント:減点ポイントは「知っているかどうか」で防げるものが大半です。この記事で紹介する項目を一通り確認し、自分の答案で同じミスをしていないかチェックしましょう。
減点ポイント10選と対策
1. 出題意図を読み違える
最も致命的な減点ポイントです。
出題が「原因を分析せよ」と求めているのに解決策を書く、「あなたの考え」を問われているのに一般論を並べるなど、問いに対して答えがズレている場合、他の部分がどんなに良くても高い評価は得られません。
| 出題パターン | 求められていること |
|---|---|
| 「〇〇について論じなさい」 | 主張と根拠を述べる |
| 「〇〇の原因を述べなさい」 | 原因を分析する(解決策は補足程度) |
| 「あなたの考えを述べなさい」 | 自分の立場を明確にして論じる |
| 「〇〇に賛成か反対か」 | 立場を選び、その理由を述べる |
| 「資料を踏まえて述べなさい」 | 資料の分析を必ず含める |
対策:書き始める前に、出題文を2〜3回読み直し、「何を問われているか」を下線や丸印でマークしましょう。
2. 主張が不明確
序論で自分の主張(結論)をはっきり述べないまま本論に入ると、「結局何が言いたいのか分からない」答案になります。
悪い例:「少子化には様々な要因がある。経済的な問題もあれば、価値観の変化もある。以下では少子化について考えてみたい。」→ 主張がどこにもありません。
良い例:「少子化対策として、経済的支援の拡充と働き方改革の同時推進が不可欠であると考える。以下にその理由を述べる。」→ 主張が明確で、読み手は「この2点を論じるのだな」と分かります。
対策:序論の中に必ず「私は〜と考える」「〜が必要である」という一文を入れましょう。
3. 論理の飛躍
主張と根拠のつながりが不十分な場合、「なぜそう言えるのか」が読み手に伝わりません。
根拠を示したつもりでも、主張までの道筋が省略されていると、採点者は「論理の飛躍」と判断します。
対策:主張と根拠の間に「なぜなら〜だからである」「これは〜を意味する」という論拠(つなぎの説明)を入れましょう。
4. 根拠が「個人の感想」だけ
「私はそう思う」「〜に違いない」だけでは根拠になりません。
小論文では、客観的な事実、社会的な事例、論理的な推論を根拠として用いる必要があります。
対策:「なぜ自分はそう思うのか」を掘り下げ、社会的な事実や事例で裏付けましょう。
5. 反論を無視する
自分の主張に対する反対意見にまったく触れない答案は、「一面的な見方しかできない」と評価されます。
反論を踏まえた上で自分の主張を補強することで、論理の説得力が増します。
対策:本論の中で「確かに〜という意見もある。しかし〜」と、1つは反論に言及しましょう。すべての反論に対応する必要はなく、最も有力な反論1つに触れるだけで十分です。
6. 結論が序論の繰り返し
序論で述べた主張をそのままコピーしたような結論は、「考えが深まっていない」と判断されます。
結論は、本論での論証を経て主張がどう補強されたかを示す場です。
対策:結論では、本論の論証を踏まえた上で主張を「言い換え」て再提示し、今後の展望や提言を一文加えましょう。
7. 字数が大幅に不足・超過
指定字数の9割以上を書くのが原則です。
例えば800字指定なら720字以上は書きたいところです。逆に、字数を大幅に超過するのも問題です。
| 状態 | 評価への影響 |
|---|---|
| 指定字数の8割未満 | 大幅減点の可能性が高い |
| 指定字数の8〜9割 | やや減点される場合がある |
| 指定字数の9割〜上限 | 問題なし |
| 上限を超過 | 指定による(「以内」なら減点対象) |
対策:練習段階で自分の字数感覚を把握しておく。アウトラインの段階で各パートの字数を大まかに見積もりましょう。
8. 原稿用紙の使い方の間違い
原稿用紙のルールを知らないことで減点されるのは非常にもったいないミスです。
- 段落の冒頭は1マス下げる
- 句読点(。、)が行頭に来る場合は、前の行の最後のマスに文字と一緒に入れる
- 「」や()の中でも句読点のルールは同じ
- 数字は原則として漢数字(縦書きの場合)
対策:練習の段階から必ず原稿用紙を使い、正しい使い方を身体に覚えさせましょう。
9. 話し言葉・くだけた表現
小論文は学術的な文章です。
話し言葉やくだけた表現は減点対象になります。
| 避けるべき表現 | 適切な表現 |
|---|---|
| 〜だと思います | 〜と考える / 〜であると考えられる |
| 〜じゃない | 〜ではない |
| すごく / とても | 極めて / 非常に |
| 〜的には | 〜の観点からは |
| やっぱり | やはり |
対策:練習の段階で添削を受け、無意識に使っている話し言葉を指摘してもらいましょう。
10. 誤字脱字・文法ミス
1〜2箇所の誤字は致命的ではありませんが、複数箇所にわたると「文章を書く力が不足している」と判断されます。
対策:見直しの時間を必ず確保し、音読するように読み返すと誤字脱字に気づきやすくなります。
注意:特に注意すべきは同音異義語の誤用です。「意義(いぎ)」と「異議(いぎ)」、「対象(たいしょう)」と「対称(たいしょう)」など、漢字の使い分けは採点者に注目されやすいポイントです。
減点を防ぐセルフチェックリスト
答案を書き終えたら、以下のチェックリストで確認しましょう。
- 出題意図に正確に答えているか
- 序論で主張が明確に述べられているか
- 本論の根拠は客観的な事実・事例に基づいているか
- 論理の飛躍がないか(主張と根拠のつなぎは十分か)
- 反論に1つは触れているか
- 結論が序論のコピペになっていないか
- 字数は指定の9割以上あるか
- 原稿用紙のルールを守っているか
- 話し言葉やくだけた表現がないか
- 誤字脱字がないか
碧推薦学院では、指導人数500名超の経験から蓄積された「よくある減点パターン」を踏まえ、一人ひとりの弱点に合わせた添削指導を行っています。
自分では気づきにくい減点ポイントを第三者に指摘してもらうことが、スコアアップの最短ルートです。
まとめ
- 小論文の減点ポイントは「知っているかどうか」で防げるものがほとんど
- 最も致命的なのは「出題意図の読み違い」。書く前に問いを正確に把握する
- 主張を序論で明示し、客観的な根拠で裏付け、反論にも触れる
- 原稿用紙の使い方や話し言葉の排除など、形式面のミスも確実に防ぐ
- 見直しの時間を確保し、セルフチェックリストで確認する習慣をつける
参考
この記事は「小論文対策 完全ガイド」の関連記事です。