総合型選抜(AO入試)の出願書類として「研究計画書」や「学習計画書」の提出を求める大学が増えています。

「研究なんてしたことがない」「何を書けばいいかわからない」と戸惑う受験生も多いでしょう。

この記事では、研究計画書の基本的な書き方、テーマの見つけ方、そしてよくある失敗例と改善方法を具体的に解説します。

研究計画書とは何か

総合型選抜における研究計画書の役割

研究計画書は、「大学入学後に何を研究・探究したいか」をまとめた書類です。

大学側はこの書類を通じて、以下の点を評価しています。

  • 学問への関心の深さ:表面的な興味ではなく、深い問題意識を持っているか
  • 論理的思考力:課題設定から方法論まで、筋道を立てて考えられるか
  • 大学との適合性:その大学で研究を進められるテーマか
  • 主体性:自分で課題を見つけ、解決策を考えようとしているか

ポイント:研究計画書は「完成された研究」を求めているのではありません。高校生の段階で完璧な研究計画を立てられるとは、大学も思っていません。大切なのは「何を知りたいか」「どうアプローチしたいか」を論理的に示すことです。

「研究計画書」と「学習計画書」の違い

大学によって呼び方が異なりますが、大まかな違いは以下の通りです。

種類 主な内容 求められるレベル
研究計画書 具体的な研究テーマと方法論 テーマの深掘りが必要
学習計画書 入学後に学びたいことの全体像 幅広い学びの計画でOK
入学後の計画 4年間の学びのビジョン 長期的な視点が求められる

志望校の募集要項で、何が求められているかを正確に把握しましょう。

研究テーマの見つけ方

ステップ1:自分の「なぜ?」を掘り起こす

研究テーマは、日常の中で感じた「なぜ?」「どうして?」から生まれます。

  • 授業で聞いた話で引っかかったこと
  • ニュースを見て感じた疑問
  • 自分の経験から生まれた問題意識
  • 身近な社会課題への関心

ステップ2:「なぜ?」を3回繰り返す

最初の疑問を3回深掘りすると、研究テーマの輪郭が見えてきます。

  • なぜ?「地方の商店街がシャッター街になっている」
  • なぜ?「大型店やECサイトに客を取られている」
  • なぜ?「地域密着型の商店の価値が消費者に伝わっていない」
  • → 研究テーマ候補:「地域商店の付加価値を可視化し、消費者行動を変えるマーケティング手法の研究」

ステップ3:先行研究を調べる

テーマの方向性が決まったら、そのテーマについて既に研究されていることを調べましょう。

  • Google Scholarで関連する論文を検索
  • 志望大学の教授の研究テーマを確認
  • 関連書籍を読む
  • CiNiiで日本語の論文を探す

注意:先行研究を全く調べずに「これを研究したい」と書くと、既に十分に研究されているテーマだったり、研究として成り立たないテーマだったりする可能性があります。最低限の調査は行いましょう。

ステップ4:志望大学との接点を確認する

良い研究テーマでも、志望大学で研究できなければ意味がありません。

  • 志望大学にそのテーマを研究できる教授や研究室があるか
  • 関連するカリキュラムやプログラムがあるか
  • 大学の施設やフィールドを活用できるか

研究計画書の基本構成

推奨する構成

  1. 研究テーマ:タイトルを簡潔に示す
  2. 研究の背景と動機:なぜこのテーマに関心を持ったか
  3. 研究の目的:何を明らかにしたいか
  4. 先行研究の概要:既に何がわかっていて、何がわかっていないか
  5. 研究方法:どのようなアプローチで研究するか
  6. 期待される成果:研究によって何が明らかになるか
  7. 大学で学ぶ意義:なぜこの大学でこの研究をしたいか

各パートの書き方のポイント

研究の背景と動機

個人的な経験と社会的な課題を接続させましょう。

「なぜ自分がこのテーマに取り組むのか」を説得力をもって示すことが大切です。

研究の目的

明確で具体的な問いの形にしてください。

「○○について研究したい」ではなく「○○における△△の影響を明らかにしたい」のように、焦点を絞りましょう。

研究方法

文献調査、フィールドワーク、アンケート調査、実験、データ分析など、高校生レベルで実現可能な方法を示します。

大学入学後に本格的に取り組む計画でも構いません。

良い例:「日本の高校生の環境意識がSNSの情報発信によってどう変化するかを調べたい。高校在学中に同級生50名を対象としたアンケート調査を行い予備的なデータを収集済み。大学では○○教授の指導のもと、より大規模な調査を実施し、環境教育の効果的な手法を提言したい」

NG例:「環境問題について研究したい。環境は大切だから」→ テーマが漠然としすぎている。具体的な研究の問いと方法が示されていない。

よくある失敗パターンと改善方法

失敗1:テーマが大きすぎる

  • NG:「日本の教育問題を解決したい」
  • 改善:「日本の公立中学校における不登校生徒への学習支援プログラムの効果を検証したい」

失敗2:オリジナリティがない

  • NG:教科書に書いてあることをそのまま研究テーマにする
  • 改善:既存の知見を踏まえた上で、自分ならではの切り口を加える

失敗3:志望大学との関連が薄い

  • NG:志望大学の教授やカリキュラムと全く関連のないテーマ
  • 改善:志望大学の特色を調べ、その大学でこそ研究できる理由を示す

失敗4:「やりたい」だけで「なぜ」がない

  • NG:「AIについて研究したい。AIは今後重要だから」
  • 改善:「なぜ自分がAIに関心を持ったのか」という原体験から語る

研究計画書の磨き方

書いたら必ず第三者に見せる

研究計画書は自分一人で完成させないでください。

以下の人に見てもらうことをお勧めします。

  • 学校の先生(志望分野に近い科目の先生)
  • 塾や予備校の講師
  • 可能であれば、大学教授や大学院生

「問いの鋭さ」を磨く

研究計画書の質は「研究の問い(リサーチクエスチョン)」の鋭さで決まります。

以下の基準でチェックしましょう。

  • 答えが明確に出せる問いか
  • 既に答えが出ている問いではないか
  • 自分が本当に知りたいことか
  • 社会的・学術的に意義のある問いか

まとめ — 研究計画書は「学びへの本気度」を示す書類

  • 研究計画書は完成された研究ではなく、「何を研究したいか」を論理的に示すもの
  • テーマは日常の「なぜ?」から掘り下げ、先行研究も調べた上で設定する
  • 構成は「背景→目的→方法→成果→大学との接点」が基本
  • テーマが大きすぎない、オリジナリティがある、志望大学と関連があることが重要
  • 第三者のフィードバックを受けて磨き上げる

碧推薦学院では、受験相談人数2,000名超の実績の中で、研究計画書の作成サポートも数多く行ってきました。

テーマの設定から構成の組み立て、文章の添削まで、一緒に仕上げていきます。

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この記事は「総合型選抜(AO入試)完全ガイド」の関連記事です。

参考