早稲田大学は多くの学部で総合型選抜(AO入試)や自己推薦入試を実施しており、多様な選考方式で受験生を迎え入れています。
学部によって「新思考入試」「グローバル入試」「自己推薦入試」など名称が異なるため、志望学部の入試制度を正確に把握することが第一歩です。
この記事では、早稲田大学の総合型選抜の全体像と対策のポイントを解説します。
早稲田大学の総合型選抜 概要
早稲田大学では、学部ごとにさまざまな名称・方式の選抜が行われています。主な入試制度を整理します。
| 学部 | 入試名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 政治経済学部 | グローバル入試 | 英語力と国際的な視野を重視 |
| 社会科学部 | 全国自己推薦入試 | 活動実績を重視した選考 |
| 国際教養学部(SILS) | 総合型選抜(国内選考) | 英語力と国際的な活動実績を評価 |
| 文化構想学部 | JCulP 総合型選抜 | 多文化共生プログラム向けの選考 |
| 創造理工学部 | 総合型選抜 | 理工系の素養と研究意欲を評価 |
| スポーツ科学部 | 総合型選抜 | スポーツの実績と学問への意欲 |
| 人間科学部 | FACT選抜 | 多様な才能を評価 |
| 各学部 | 新思考入試(地域連携型) | 地域課題への関心と解決意欲を評価 |
※上記は主な実施学部・入試制度です。最新の募集要項をご確認ください。
ポイント:早稲田大学は「新思考入試」のように、複数学部で共通して実施される入試制度もあります。志望学部以外の学部でも出願できる選抜がないか確認してみましょう。
出願資格・条件
学部・入試方式によって出願資格は大きく異なります。代表的なものを紹介します。
政治経済学部グローバル入試
- 英語外部試験のスコアが求められる場合がある
- 国際的な経験や活動実績が評価対象
社会科学部全国自己推薦入試
- 課外活動、社会活動、学術活動などで顕著な実績がある者
- 全国からの出願が可能
国際教養学部総合型選抜
- 高い英語力が求められる
- 海外経験がなくても出願可能だが、英語資格は重要
新思考入試(地域連携型)
- 地域に関する課題意識を持ち、解決に向けた取り組みへの意欲がある者
- 入学後も地域課題に取り組む意思がある者
※出願資格の詳細は年度によって変更されます。最新の募集要項をご確認ください。
試験内容・選考フロー
早稲田大学の総合型選抜は、多くの学部で以下のようなフローで進行します。
一般的な選考フロー
- 書類審査(志望理由書、活動報告書、調査書など)
- 一次選考通過者に対して二次選考(小論文・面接・プレゼンテーションなど)
学部ごとの特徴
- 政治経済学部グローバル入試:書類審査+論文審査+面接
- 社会科学部全国自己推薦入試:書類審査+小論文+面接
- 国際教養学部総合型選抜:書類審査+筆記試験(英語)+面接
- 新思考入試:書類審査+総合試験(論述形式)+大学入学共通テストの成績
注意:新思考入試では大学入学共通テストの成績が最終的な合否判定に利用される場合があります。共通テストの準備も並行して進めてください。最新の選考方法は募集要項でご確認ください。
スケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 6月〜7月頃 | 募集要項の公表 |
| 9月〜10月頃 | 出願期間(学部により異なる) |
| 10月〜11月頃 | 一次選考結果発表 |
| 11月〜12月頃 | 二次選考(小論文・面接など) |
| 12月〜2月頃 | 合格発表(新思考入試は共通テスト後の判定あり) |
※スケジュールは年度や学部によって異なります。最新の募集要項をご確認ください。
対策のポイント
「なぜ早稲田か」を明確にする
早稲田大学の総合型選抜では、「なぜ早稲田大学で学びたいのか」「早稲田大学で何を実現したいのか」が問われます。
他大学にはない早稲田の特徴(教授の研究テーマ、カリキュラム、大学の理念など)と自分の志望を結びつけることが重要です。
アクションステップ
- 早稲田大学の公式サイトで志望学部のカリキュラム・研究室情報を調べる
- 興味のある教授の著書や論文を読み、具体的に言及できるようにする
- オープンキャンパスや説明会に参加し、実際に感じたことをメモに残す
- 「早稲田でなければならない理由」を3つ以上書き出し、志望理由書の軸にする
学部ごとの「求める学生像」を理解する
各学部のアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)を丁寧に読み込み、その学部が求めている学生像を理解しましょう。
志望理由書や面接では、アドミッション・ポリシーと自分の強みが合致していることを示す必要があります。
アクションステップ
- 志望学部のアドミッション・ポリシーを印刷し、キーワードに印をつける
- キーワードごとに自分の経験・実績を対応させた表を作成する
- 「求める学生像」に合致するエピソードを2〜3個用意し、具体的に語れるよう準備する
小論文対策を早期に始める
早稲田大学の多くの選考では、小論文や論述試験が課されます。
日頃から社会問題について自分の意見を論理的にまとめる練習をしておくことが重要です。
アクションステップ
- 志望学部の過去の出題傾向を確認し、頻出テーマを把握する
- 週に1本は800〜1200字の小論文を書き、第三者に添削してもらう
- 新聞の社説やオピニオン記事を毎日1本読み、論理構成を分析する習慣をつける
- 制限時間を設けて書く練習も取り入れ、本番のペース配分に慣れる
英語力の証明(該当学部)
政治経済学部や国際教養学部など、英語力が評価される学部を志望する場合は、英語外部試験のスコアアップにも計画的に取り組みましょう。
アクションステップ
- 志望学部が推奨・指定する英語外部試験の種類を確認する
- 現在のスコアを把握し、目標スコアとの差を明確にする
- 出願時期から逆算して受験スケジュールを立てる(スコアの有効期限にも注意)
- 複数回受験できるよう、早い時期から計画的に受験する
効果的な対策:志望学部のアドミッション・ポリシーを暗記できるほど読み込み、自分の経験・実績との接点を具体的にリストアップする。
避けるべき対策:「早稲田大学は有名だから」「就職に有利だから」という表面的な志望理由にとどまる。
情報収集・方針決定
学部ごとの募集要項と求める学生像を確認し方針を固める
書類準備
志望理由書・活動報告書・推薦書を揃えて内容を精査する
試験対策
小論文・面接・英語資格など学部に応じた対策を進める
出願直前
締切日・提出方法・必要書類の最終確認を行う
出願書類の書き方完全ガイド
早稲田大学の総合型選抜は学部ごとに入試名称・書類様式が大きく異なります。社会科学部の全国自己推薦入試なら「志望理由書+活動記録報告書」、地域探究・貢献入試なら「課題レポート」、人間科学部FACT選抜なら「志望理由書+入学後のライフデザイン」と、志望する選考方式によって提出書類の構成がまったく変わります。
このセクションでは、各入試で共通して求められる書類の種類と、書き方の汎用ノウハウを整理します。字数・様式の数値は各公式要項から確認できたものに限り記載し、学部・年度によって変更される可能性があるため、出願時には必ず最新の募集要項を参照してください。
入試別 主な出願書類の構成
早稲田大学で実施されている主な総合型選抜の出願書類を比較します。
志望理由書(400字×2枚・800字以内)+活動記録報告書①大会記録②生徒会・学校外活動③資格等(各該当者のみ)+調査書+英語外部検定スコア
課題レポート(A4所定用紙・4枚構成・5項目記載)+活動記録証明書(任意)+志願者評価書+調査書
志望理由書(800字以上1,000字以内)+英語外部試験スコア(TOEFL iBT / IELTS Academic)+調査書
志望理由書(1,200字以上1,500字以内)+入学後のライフデザイン(文章・図表複合)+推薦書+調査書
※書類名・字数は2026年度の公式要項(社会科学部全国自己推薦・地域探究・貢献入試・人間科学部FACT選抜)から確認したものです。政治経済学部グローバル入試の字数は複数の情報源で一致する記載(800字以上1,000字以内)を採用しています。学部・年度によって異なります。最新の募集要項を必ず確認してください。
全入試共通 — 志望理由書の書き方の骨格
入試名称がどれであっても、「なぜこの学部で何を学ぶのか」を伝える書類は必ず存在します。早稲田大学の募集要項では、社会科学部の志望理由書について「最もアピールしたい活動の詳細」「そこから学んだこと」「社会科学部での4年間でどう活かすか」という3点の記述を求めており、これは他学部の選考でも事実上求められる骨格と重なります。
良い接続の例:「高校2年の探究学習で地域の農業課題を調査し、政策と市場メカニズムの相互作用に疑問を持った。この問いを掘り下げるには、早稲田大学政治経済学部の政治経済学科で学ぶ○○教授の農業政策論が最も近い。」
避けたい書き方:「早稲田大学は有名で就職に強いから志望します。入学後は勉強に励みたいと思います。」(活動・問い・学部の接続がない。具体的な学びの計画がない)
社会科学部 全国自己推薦 — 活動記録報告書の書き方
社会科学部の全国自己推薦入試では、志望理由書(800字以内)に加えて、活動記録報告書を3種類の様式で提出できます。大会・コンテストの入賞実績があれば「報告書①(大会記録)」、生徒会・ボランティア・地域活動があれば「報告書②(生徒会・学校外活動等)」、資格・検定があれば「報告書③(資格等)」と、該当するものだけを選択して提出します。
ポイント:活動記録報告書は「事実と役割の報告書」です。証明書類との整合性を最優先に、役職名や受賞歴は正確に記入してください。社会科学部では課外活動・社会活動・学術活動で顕著な実績を持つ者が出願資格となります。「すごいことをやった」ではなく「何をどう担い、何が変わったか」を事実で積み上げることが評価につながります。
報告書②(生徒会・学校外活動等)で「活動の質」を伝える手順
- 活動の棚卸し:高校1年から3年の活動を時系列で書き出す
- 役割を明確にする:「所属した」ではなく「○○として△△を担当した」と記述する
- 結果を数字で示す:参加者数・期間・達成した成果等、事実として検証できる情報を入れる
- 証明を取る:学校長・所属団体の長など、3親等以内の親族以外からの証明が必要
良い書き方の例:「高校2年4月〜3年3月:地域NPO○○で週1回の活動補助(延べ40回参加)。代表の指示のもと、小学生向けプログラムの教材制作を主担当として担い、参加者アンケートで満足度92%を達成。」
避けたい書き方:「NPO活動に参加しました。社会貢献を学びました。」(役割・期間・数字・成果のいずれもなく、活動の質が伝わらない)
地域探究・貢献入試 — 課題レポートの5項目
法学部・教育学部・文化構想学部・文学部・人間科学部・スポーツ科学部の6学部で実施される地域探究・貢献入試(旧・新思考入試)では、書類審査の中心が「課題レポート」です。A4サイズの所定用紙4枚構成で、以下の5項目を記入します(出典:早稲田大学入学センター 地域探究・貢献入試ページ・洋々LABOによる要項確認情報)。
様式について:課題レポートは大学所定の用紙をA4に片面印刷して使用します。3枚以内に記入が収まる場合でも4枚目まで必ず提出します。また、レポートの内容を補足・説明する資料を「課題レポート別紙」としてA4白紙2枚(最大4面)まで任意提出できます。様式・字数の詳細は毎年公式要項を確認してください。
主体性・多様性・協働性を「200字」「500字」で書くコツ
入試方式を問わず、調査書の「指導上参考となる諸事項」欄や、書類の補足説明の場面で、文部科学省が定める学力の3要素の3つ目「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を、200字程度・500字程度で表現するケースがあります。
ここでは、字数別に汎用的な構成テンプレートを提示します。特定の書類への記入を保証するものではなく、調査書補足・他大学書類でも応用できる書き方の骨格です。
200字で書く場合の構成(4文構成)
記述例(200字・テンプレート):
「高校2年の文化祭実行委員でステージ統括を担当した。出演団体間の希望時間が重複し、誰の意見も通らない状況に陥った。各団体の優先条件を一覧化し、全体最適の代替案を提示した結果、意見が対立していた2団体の合意を得た。多様な価値観を擦り合わせるには、共通の判断軸を見える形で提示することが鍵だと学んだ。」
500字で書く場合の構成(5段構成)
200字版を骨格にし、各要素を肉付けする形で500字版を作るとブレません。書き終えたら「主体性」「多様性」「協働性」の3語が事実として描かれているかを必ず点検してください。語彙として使わずとも、行動として読み取れることが大切です。
ポイント:字数に合わせて活動を切り替えるのではなく、同じ活動を「200字」「500字」「1,000字(志望理由書)」の3スケールで語れるよう用意しておくと、書類間の整合性が保てます。早稲田の場合、書類審査通過後の面接・小論文で同じエピソードを深掘りされるケースも多いため、準備の厚みが重要です。
注意:本セクションの書類名・字数は、各公式要項(社会科学部全国自己推薦・地域探究・貢献入試・人間科学部FACT選抜)および複数の公開情報で一致した情報を掲載しています。ただし学部・年度によって変更される場合があるため、出願時には必ず早稲田大学 入学センターの最新の募集要項で確認してください。
出願準備チェックリスト
出願に向けて準備すべき項目をリストにまとめました。
志望学部によって必要書類は異なりますので、必ず最新の募集要項と照らし合わせてご活用ください。
情報収集・方針決定
- 志望学部の入試名称・方式を正確に把握した
- アドミッション・ポリシーを読み込み、求める学生像を理解した
- 出願資格(評定平均、英語スコア、活動実績など)を満たしているか確認した
- 出願から合格発表までのスケジュールを把握した
書類準備
- 志望理由書の構成を決め、下書きを作成した
- 活動報告書に記載する実績・エピソードをリストアップした
- 第三者(学校の先生や塾の講師など)に書類の添削を依頼した
- 調査書の発行を学校に依頼した(発行に時間がかかる場合があります)
試験対策
- 小論文・論述試験の過去の出題傾向を確認した
- 面接で聞かれそうな質問のリストを作成し、回答を準備した
- 英語外部試験のスコアを取得済み(該当学部の場合)
- 共通テストの準備も並行して進めている(新思考入試の場合)
出願直前
- 必要書類がすべて揃っているか最終確認した
- 出願締切日・提出方法(Web出願・郵送など)を再確認した
- 書類のコピーを手元に保管した(面接対策に使用するため)
※上記は一般的な準備項目です。最新の募集要項をご確認ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 総合型選抜と一般入試を併願できますか?
はい、多くの場合は併願が可能です。
早稲田大学の総合型選抜に出願しながら、一般入試の準備を並行して進める受験生は多くいます。
ただし、入試方式によっては専願(合格した場合は入学を確約すること)が条件となる場合もあります。
出願前に、志望する入試方式の併願条件を募集要項で必ず確認してください。
Q2. 高校の評定平均はどの程度重要ですか?
学部・入試方式によって異なります。
出願資格として評定平均の基準を設けている方式もあれば、明示的な基準がない方式もあります。
ただし、調査書は多くの選考で提出が求められるため、評定平均が高いに越したことはありません。
評定平均の基準が示されていない場合でも、学校での学業に真摯に取り組んでいることが書類審査でプラスに働く可能性があります。
Q3. 海外経験がなくても国際教養学部の総合型選抜に出願できますか?
出願は可能です。
国際教養学部の総合型選抜では高い英語力が求められますが、海外在住経験が出願の必須条件というわけではありません。
国内で英語力を高め、国際的な視野を持っていることを示すことができれば十分に評価されます。
英語外部試験のスコアや、国際問題への関心・取り組みをしっかりアピールしましょう。
Q4. 新思考入試はどの学部から出願できますか?
新思考入試(地域連携型)は、複数の学部で実施されています。
対象学部は年度によって変更される場合がありますので、最新の募集要項をご確認ください。
新思考入試では、地域課題への関心と解決に向けた意欲が重視されます。
また、大学入学共通テストの成績が最終的な合否判定に利用される場合があるのが特徴です。
まとめ
- 早稲田大学は多くの学部で多様な総合型選抜を実施しており、選択肢が広い
- 学部ごとに入試名称・選考方法が大きく異なるため、志望学部の募集要項を必ず確認
- 「なぜ早稲田か」「なぜその学部か」を具体的に語れることが合格の鍵
- 小論文・論述試験が課される学部が多く、早期からの対策が重要
- 新思考入試では共通テストの成績も利用される場合があるため、並行して準備する