総合型選抜(AO入試)の面接で、最も高い確率で聞かれるのが「なぜこの大学を志望したのですか?」という質問です。

一見シンプルな質問ですが、回答の質が合否を大きく左右します。この記事では、面接官がこの質問で何を見ているのか、どう答えれば高評価を得られるのかを具体的に解説します。

面接官がこの質問で見ていること

「なぜこの大学か?」という質問で面接官が確認したいのは、主に以下の3つです。

確認したいこと 具体的に見ているポイント
大学理解の深さ パンフレット以上の情報を把握しているか
志望理由との一貫性 志望理由書の内容と面接の回答に矛盾がないか
入学後の具体的なビジョン 「入学したら何をしたいか」が明確か

面接官は何百人もの受験生と面接しています。そのため、「雰囲気が良いから」「就職に強いから」といった漠然とした回答では、他の受験生と全く差別化できません。

ポイント:この質問の本質は「あなたと大学の間に、具体的な接点があるか」を確認することです。大学の特徴を列挙するのではなく、あなた自身の問題意識と大学の環境がどう結びつくかを語りましょう。

回答を構成する3つの要素

説得力のある回答は、以下の3つの要素で構成されます。

要素1:あなたの問題意識・テーマ

まず、あなた自身が何に関心を持ち、何を研究・探究したいと考えているかを明確にします。

これが回答の出発点です。

例:

  • 「地域防災教育の格差を解消したい」
  • 「食品ロス問題をサプライチェーンの観点から解決したい」
  • 「外国にルーツを持つ子どもの教育支援に取り組みたい」

要素2:その大学でしかできないこと

次に、あなたの問題意識に対して、その大学だからこそ取り組める環境があることを示します。

ここが最も重要なパートです。

具体的に使える「差別化要素」には以下があります。

差別化要素 調べ方
教授の研究テーマ 大学の研究者データベース、教授の論文検索
独自のカリキュラム 学部のカリキュラムマップ、シラバス
ゼミ・研究室の特色 オープンキャンパス、大学説明会
フィールドワーク・実習 学部のウェブサイト、在学生の声
地域連携プロジェクト 大学の地域貢献ページ
留学・国際交流プログラム 国際交流センターのページ
アドミッションポリシー 入試要項、学部ページ

要素3:入学後に何をしたいか

最後に、入学後の具体的な学びの計画を述べます。

「何を学ぶか」だけでなく、「どう学ぶか」まで具体的に描けると説得力が増します。

例:

  • 「1~2年次に〇〇の基礎理論を学び、3年次から△△教授のゼミで実証研究に取り組みたい」
  • 「貴学の□□プログラムに参加し、現地調査を通じてデータを集めたい」

PREP法で回答を組み立てる

3つの要素をPREP法に当てはめると、以下のような構成になります。

P(結論):私が貴学を志望する理由は、〇〇教授の研究室で△△について実践的に研究できる環境に魅力を感じたからです。

R(理由):私は高校時代から□□に強い関心を持っています。貴学の〇〇教授は△△の分野で先進的な研究をされており、特にフィールドワークを重視した教育方針に共感しました。

E(具体例):きっかけは、高校2年生のとき☆☆という活動に参加したことです。その中で▽▽という課題に直面し、この問題を体系的に学びたいと考えるようになりました。オープンキャンパスで〇〇教授のお話を伺い、私の問題意識と教授の研究テーマが一致していると確信しました。

P(結論の再提示):以上の理由から、貴学の△△学部で〇〇教授のもと学ぶことが、私の目標を実現する最良の道だと考えています。

よくあるNG回答と改善例

NG1:漠然とした回答

悪い例:「貴学はキャンパスの雰囲気が良く、自由な校風が魅力的だからです」(→ どの大学にも当てはまる回答で、差別化ができていません)

改善例:「貴学の〇〇学部では△△の分野で地域と連携した実践的な研究が行われており、私の問題意識である□□と直結する学びができるからです」(→ 大学固有の特徴と自分の関心の接点が明確)

NG2:パンフレットの引き写し

悪い例:「貴学は少人数教育で、学生と教員の距離が近いと伺いました。また、充実した留学制度があり…」(→ パンフレットに書いてある情報を並べているだけ)

改善例:「貴学のオープンキャンパスに参加した際、〇〇教授の模擬授業を受けました。△△というテーマについて学生と教授が活発に議論している様子を実際に見て、この環境で学びたいと強く思いました」(→ 自分自身の体験と結びついている)

NG3:消去法での志望

悪い例:「他の大学も検討しましたが、立地や偏差値を考えると貴学が最も合っていると思いました」(→ 積極的な志望理由ではなく、消去法で選んだ印象を与えます)

改善例:「複数の大学を調べた中で、〇〇というテーマに正面から取り組んでいるのは貴学の△△教授だけでした。この研究室で学ぶことが、私の将来のビジョンを実現する最も具体的な道だと考えています」(→ 積極的な理由が明確)

NG4:就職・ブランドが主な理由

悪い例:「貴学は就職率が高く、社会的な評価も高いので志望しました」(→ 学びへの関心が見えず、大学をブランドとしか見ていない印象を与えます)

就職やブランドに触れること自体がNGではありません。

ただし、それが主な理由になるのは避けましょう。学びの内容が中心であるべきです。

「他の大学ではダメなのか?」への備え

「なぜこの大学か」の深掘りとして、「それは他の大学でもできるのでは?」と聞かれることがあります。

この質問に備えるためには、志望校と似た分野の他大学を1~2校リサーチしておくことが効果的です。他大学との違いを把握した上で、「他大学の〇〇も魅力的ですが、貴学では△△という点で、より私の問題意識に合致する学びができます」と答えられれば高評価です。

比較する際に使いやすい視点は以下のとおりです。

  • 教授の専門分野の違い
  • カリキュラムの構成や特色の違い
  • フィールドワークや実習環境の違い
  • 研究施設や設備の違い
  • 地域連携や国際交流の内容の違い

志望理由の「深さ」を出す調べ方

説得力のある回答を作るには、大学の情報を深く調べることが不可欠です。

以下の方法を組み合わせて情報収集しましょう。

  1. 大学のウェブサイト:学部紹介、教授紹介、アドミッションポリシーを確認
  2. シラバス検索:具体的な授業内容やゼミの研究テーマを把握
  3. 教授の論文・著書:研究者データベース(CiNiiなど)で検索
  4. オープンキャンパス:模擬授業やキャンパスツアーに参加し、実体験を得る
  5. 大学説明会・個別相談:入試担当者に直接質問する
  6. 在学生の声:大学の学生ブログやSNSで生の情報を収集

ポイント:オープンキャンパスや大学説明会への参加経験は、面接で非常に強い材料になります。「実際に足を運び、自分の目で確かめた」というエピソードは、志望の本気度を裏付けます。

まとめ

  • 「なぜこの大学か」は最重要質問。回答の質が合否を左右する
  • 回答は**「自分の問題意識」「その大学でしかできないこと」「入学後のビジョン」**の3要素で構成する
  • パンフレットの引き写しや漠然とした回答は差別化できない
  • 教授の研究テーマ、独自のカリキュラム、フィールドワーク環境など、大学固有の特徴を具体的に挙げる
  • 他大学との比較も準備しておくと、深掘り質問にも余裕を持って対応できる

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参考


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