総合型選抜(AO入試)では、志望理由書に加えて「研究計画書」や「学修計画書」の提出を求める大学があります。

「志望理由書と研究計画書って何が違うの?」「内容が被ってしまう」と悩む受験生は非常に多いです。

この記事では、両者の違いを明確にし、それぞれの書き分け方を具体的に解説します。

志望理由書と研究計画書の基本的な違い

まず、両者の役割の違いを整理します。

項目 志望理由書 研究計画書
主な目的 なぜこの大学を志望するかを示す 大学で何を研究するかを示す
重点 動機・一貫性・大学との適合性 研究テーマ・方法論・計画の具体性
時間軸 過去→現在→未来の全体 主に大学入学後〜卒業後
「自分」の比重 大きい(原体験・活動実績を詳述) 小さい(研究内容が中心)
「研究」の比重 中程度(4パートの1つとして記述) 非常に大きい(文書全体が研究の話)
求められる深さ 幅広く、全体の一貫性を見せる 特定テーマを深く掘り下げる

ポイント:簡潔に言えば、志望理由書は「なぜ(Why)」を語る文書、研究計画書は「何を・どうやって(What・How)」を語る文書です。

志望理由書で重視すべき要素

志望理由書は、4パート構成(問題意識→活動実績→研究計画→将来ビジョン)で書きます。

全体を通して「なぜこの大学でなければならないのか」を論理的に示すことが最も重要です。

志望理由書の4パートと配分

  1. 問題意識・原体験(20〜25%):きっかけとなるエピソード
  2. 探究活動・課外活動の実績(25〜30%):高校時代に取り組んだこと
  3. 大学での研究計画(30〜35%):志望校で何を研究するか
  4. 将来のキャリアビジョン(15〜20%):卒業後のプラン

志望理由書における研究計画(パート3)は、あくまで「なぜこの大学を選んだか」の根拠として書きます。

研究の詳細な方法論までは踏み込みません。

研究計画書で重視すべき要素

研究計画書は、志望理由書よりも「研究そのもの」にフォーカスします。

大学院入試の研究計画書に近い構成が求められます。

研究計画書の基本構成

  1. 研究テーマ(5〜10%):研究タイトルとその概要
  2. 研究背景・問題意識(15〜20%):なぜこのテーマを研究する必要があるのか
  3. 先行研究の整理(15〜20%):既存の研究で何が分かっていて、何が分かっていないか
  4. 研究目的・問い(10〜15%):この研究で明らかにしたいこと
  5. 研究方法(20〜25%):どのような手法で研究を進めるか
  6. 研究スケジュール(10〜15%):4年間の研究計画
  7. 期待される成果と社会的意義(10〜15%):研究が社会にどう貢献するか

注意:研究計画書で「先行研究」に触れることは非常に重要です。先行研究を踏まえずに研究テーマを設定すると、「すでに明らかになっていることを研究しようとしている」と判断され、評価が下がります。

両方の提出を求められた場合の書き分け方

志望理由書と研究計画書の両方を提出する場合、最も避けるべきは「同じ内容の繰り返し」です。

以下の方針で書き分けます。

志望理由書に書くこと(研究計画書には書かないこと)

  • 研究テーマに興味を持った原体験・きっかけの詳細
  • 高校時代の活動実績の具体的なエピソード
  • 活動を通じた人間的な成長や気づき
  • 将来のキャリアビジョンの詳細
  • 志望校のアドミッションポリシーとの整合性

研究計画書に書くこと(志望理由書には書かないこと)

  • 先行研究の整理と、研究上の空白(ギャップ)
  • 研究方法論の具体的な記述(量的調査・質的調査・実験など)
  • 研究の学術的な位置づけ(どの学問領域に貢献するか)
  • 4年間の研究スケジュール
  • 期待される学術的・社会的成果

両方に書くこと(ただし深さを変える)

  • 研究テーマ:志望理由書では概要レベル、研究計画書では詳細に
  • 問題意識:志望理由書では個人的な体験を中心に、研究計画書では社会的・学術的な文脈を中心に
  • 「なぜこの大学か」:志望理由書では全体の文脈で、研究計画書では研究環境の観点で

良い例:志望理由書では「祖父母の町の過疎化を見て関係人口に興味を持った」という個人的な原体験を詳しく書き、研究計画書では「関係人口の先行研究では○○と○○が明らかになっているが、△△についてはまだ研究が不足している」という学術的な背景を詳しく書く。

NG例:志望理由書と研究計画書の両方で、同じ原体験のエピソードを同じ分量で繰り返している。

「学修計画書」「入学後の計画」との違い

大学によっては、「研究計画書」ではなく「学修計画書」「入学後の学修計画」「入学後に取り組みたいこと」といった名称で書類を求める場合があります。

名称ごとの違い

名称 求められる内容の傾向
研究計画書 特定テーマの研究計画。先行研究・方法論が重要
学修計画書 大学での学び全体の計画。授業・ゼミ・課外活動を含む
入学後の計画 学修計画書に近いが、よりカジュアル。研究に限定しない

ポイント:名称に迷ったら、募集要項の記述を丁寧に読みましょう。「研究テーマについて述べよ」とあれば研究計画書寄り、「大学でどのように学びたいか」とあれば学修計画書寄りの内容を書きます。

研究計画書を書くための準備

研究計画書を書くには、志望理由書よりもさらに深いリサーチが必要です。

  1. 志望校の教授の論文を読む:CiNiiやGoogle Scholarで教授名を検索し、最低2〜3本は目を通す
  2. 関連する先行研究を調べる:自分の研究テーマに関する論文・書籍を探し、何が分かっていて何が未解明かを整理する
  3. 研究方法を学ぶ:量的調査(アンケート・統計分析)と質的調査(インタビュー・フィールドワーク)の基本を理解する
  4. 研究スケジュールを立てる:1〜4年次で何を行うかを大まかに計画する

まとめ

  • 志望理由書は**「なぜこの大学か」を語る文書。研究計画書は「何を・どうやって研究するか」**を語る文書
  • 両方提出する場合は内容の重複を避け、深さを変えて書き分ける
  • 志望理由書は原体験・活動実績・キャリアビジョンに重点を置き、研究計画書は先行研究・方法論・スケジュールに重点を置く
  • 「学修計画書」「入学後の計画」は名称によって求められる内容が異なるため、募集要項を必ず確認する
  • 研究計画書には先行研究の整理が不可欠。教授の論文を最低2〜3本は読むこと

碧推薦学院では、志望理由書と研究計画書の両方について、構成設計から添削まで一貫してサポートしています。

「書き分けがうまくいかない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

無料受験相談を予約する


この記事は「志望理由書の書き方 完全ガイド」の関連記事です。

参考