志望理由書は、総合型選抜(AO入試)の合否を左右する最重要書類です。
しかし、多くの受験生が気づかないまま「やってはいけない書き方」をしてしまっています。
この記事では、不合格につながる代表的なNG例を5つ取り上げ、それぞれの問題点と具体的な改善策を解説します。自分の志望理由書に当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。
なぜNG例を知ることが重要なのか
志望理由書の書き方を学ぶとき、「良い例」だけでなく「悪い例」を知ることが非常に効果的です。
理由は2つあります。
- 自分の志望理由書の問題点に気づける:良い例だけ見ていても、自分の文章のどこが悪いのか分からないことが多い
- 同じ失敗を避けられる:NG例を事前に知っておくことで、書き直しの回数が大幅に減る
碧推薦学院では、これまで500名超(4年間)の受験生を指導してきました。
不合格になった志望理由書には、驚くほど共通したパターンがあります。以下の5つは、その中でも特に多いNG例です。
NG例1:大学パンフレットの丸写し
NG例:「貴学は『主体的に考え、多様な人々と協働し、新たな価値を創造する人材の育成』を理念に掲げており、充実したカリキュラムと少人数教育が魅力です。このような環境で学びたいと考え、志望しました。」
何が問題か
この書き方には3つの致命的な問題があります。
- あなた自身の考えが見えない:大学の情報をなぞっているだけで、「あなたが」何をしたいのかが不明
- 他の受験生と差別化できない:同じ大学を受ける全員がパンフレットを読んでいるため、同じ内容が量産される
- 「この大学でなければならない理由」になっていない:理念やカリキュラムの紹介では、他大学との違いが示せない
改善策
良い例:「○○大学社会学部の△△教授は、関係人口の社会学的分析を専門とされている。私が高校時代に行ったフィールドワークで得た仮説を、△△ゼミの調査手法を用いて検証したいと考え、志望した。」
改善のポイントは以下の通りです。
- 大学の「一般的な情報」ではなく、具体的な教授名・ゼミ名・プログラム名に言及する
- 自分の経験や研究テーマと、大学の研究環境を接続する
- 「あなたが」その大学で「何をするか」を主語にして書く
NG例2:将来の夢が曖昧すぎる
NG例:「将来は、人の役に立つ仕事に就きたいと考えています。大学で学んだことを活かし、社会に貢献できる人材になりたいです。」
何が問題か
- 具体性がゼロ:「人の役に立つ」「社会貢献」は、どの学部・学科を志望する受験生にも当てはまる
- 研究テーマとの接続がない:大学で何を研究したいのかと、将来のキャリアがつながっていない
- 実現可能性が見えない:漠然としすぎていて、本当にその道を歩む意志があるのか疑問に思われる
改善策
良い例:「卒業後は、中小企業のDX支援を専門とするコンサルタントとして、日本のものづくり企業が持つ技術力を次世代へつなぐ仕組みづくりに取り組みたい。」
改善のポイントは以下の通りです。
- 職種・業種を明示する(コンサルタント、研究者、教員など)
- 研究テーマと将来のキャリアを一本の線でつなげる
- 「何を」「誰のために」「どのように」の3点を盛り込む
NG例3:活動実績の羅列で終わる
NG例:「高校時代はサッカー部の副部長を務め、文化祭の実行委員も経験しました。また、ボランティア活動にも参加し、英語検定2級も取得しました。これらの経験を大学でも活かしたいです。」
何が問題か
| 問題点 | 解説 |
|---|---|
| 活動同士のつながりがない | サッカー、文化祭、ボランティア、英検に一貫性がない |
| 「何を学んだか」がない | 活動の事実だけで、そこから得た学びが書かれていない |
| 研究テーマとの接続がない | これらの活動が、なぜ大学での研究に必要なのか不明 |
| 「活かしたい」が具体性ゼロ | 何をどう活かすのかが一切示されていない |
改善策
- 志望理由書に書く活動は、研究テーマに関連するもの1〜3つに絞る
- 各活動について、**「何を学び、どう研究テーマにつながったか」**を必ず記述する
- 活動を時系列で並べるのではなく、問題意識を深めていくストーリーとして構成する
ポイント:活動実績は「量」ではなく「深さ」で勝負します。多くの活動を浅く並べるよりも、1つの活動を深く掘り下げる方がはるかに効果的です。
NG例4:一貫性がない
NG例:「私は幼少期から動物が好きで、ペットの犬と過ごす時間が一番の楽しみでした。高校では吹奏楽部でトランペットを担当し、全国大会に出場しました。大学では国際政治を学び、将来は国連で働きたいと考えています。」
何が問題か
この例では、「動物好き」→「吹奏楽」→「国際政治」→「国連」と、話が完全にバラバラです。
読み手は「結局この受験生は何がしたいのか」が分かりません。
志望理由書で最も重視されるのは一貫性です。4パート(問題意識→活動実績→研究計画→将来ビジョン)が、1つの「問い」で貫かれている必要があります。
改善策
一貫性を作る手順は以下の通りです。
- まず**パート4(将来のキャリアビジョン)**を決める
- そのキャリアに必要な**研究テーマ(パート3)**を設定する
- 研究テーマにつながる**活動実績(パート2)**を選ぶ
- 活動のきっかけとなった**問題意識(パート1)**を言語化する
ポイント:一貫性のない活動がある場合、それを志望理由書に書く必要はありません。すべての活動を書かなければならないという決まりはないのです。研究テーマに関連する活動だけを選んで構成しましょう。
NG例5:「この大学でなければならない理由」がない
NG例:「貴学は歴史と伝統があり、就職実績も良く、キャンパスの雰囲気も自分に合っていると感じました。オープンキャンパスで先輩方が生き生きと学んでいる姿を見て、私もここで学びたいと思いました。」
何が問題か
- 「歴史と伝統」「就職実績」「雰囲気」は他の大学でも言えること
- オープンキャンパスの感想は主観的すぎる
- あなたの研究テーマと大学の接点が一切示されていない
大学側が知りたいのは、「なぜこの大学でなければダメなのか」です。
他の大学でも成立する志望理由は、不合格の大きな原因になります。
改善策
「この大学でなければならない理由」を書くために調べるべき情報は以下の通りです。
- 教授の専門分野と研究テーマ:あなたの問題意識と重なる教授がいるか
- ゼミ・研究室の具体的な活動内容:どのような研究が行われているか
- カリキュラムの特色:他大学にはない授業・プログラムがあるか
- アドミッションポリシー:大学が求める学生像とあなたの志望がどう合致するか
良い例:「○○大学教育学部の☆☆教授は、メタ認知と学習成果の関係を専門に研究されている。同学部の教育実習プログラムが3年次から始まる点も、理論と実践を並行して進めたい私の研究計画に合致する。」
自分の志望理由書をセルフチェックする方法
以下のチェックリストで、あなたの志望理由書にNG例が含まれていないか確認しましょう。
- 大学のパンフレット・HPの文章をそのまま使っていないか
- 将来の夢に具体的な職種・業種が書かれているか
- 活動実績を「羅列」ではなく「ストーリー」として書いているか
- 4パート(問題意識→活動→研究計画→将来)に一貫性があるか
- 志望校の具体的な教授名・ゼミ名・プログラム名を挙げているか
- 他の大学に置き換えても成立してしまう文章がないか
注意:セルフチェックには限界があります。自分では気づけないNG例も多いため、第三者による添削を必ず受けましょう。最低5回の添削を受けることを推奨します。
まとめ
- NG例1:大学パンフレットの丸写し → 自分の研究テーマと大学の接点で語る
- NG例2:将来の夢が曖昧 → 職種・業種を明示し、研究テーマと接続する
- NG例3:活動の羅列 → 研究テーマに関連する活動に絞り、学びを記述する
- NG例4:一貫性がない → 将来ビジョンから逆算して構成する
- NG例5:「この大学でなければならない理由」がない → 教授・ゼミ・プログラムの具体名を挙げる
碧推薦学院では、志望理由書の添削を無制限で実施しています。
「自分の志望理由書にNG例が含まれていないか不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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